西高根モンテッソーリ子どものいえ(群馬県)
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群馬県館林市にある「西高根モンテッソーリ子どものいえ」で「発明アイディア ワークショップ」を開催。小学生22名を「発明家のタマゴ」として認定。
発明の楽しさや社会貢献につながる喜びを体感する「発明アイディアワークショップ」が、群馬県館林市でモンテッソーリ教育を実践する「西高根モンテッソーリ子どものいえ」で行われました。この教育は、医師であり、教育者であったイタリアのマリア・モンテッソーリ博士が考案したもので「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在を大事にしています。子どもたちに対し興味の持てる環境を準備することで、自発的に自分にとって必要な活動を選択し、集中して取り組むようになるという方針に沿い、興味を惹きつけられる「発明」をテーマとして、このワークショップに応募されました。
この特別授業に先立って講師を務める小高が、自身が所属する時計品質保証部で業務に使うハンマー試験機を映像で紹介。時計に、重いハンマーをぶつけて、時計の中の部品が壊れたり不具合が生じていないかを調べる装置です。さまざまな方法で100項目以上にわたって時計の品質を確認していることを説明。この話題を入り口に、カシオ計算機の会社と発明家である樫尾俊雄について紹介をしました。つづいて、2017年8月に累計販売数が1億個を記録し、全世界で愛用されるカシオG-SHOCKを発明した伊部菊雄の「落としても壊れない丈夫な時計」が生まれるまでをムービーで紹介。「困ったことがあるとき、だれかの役に立ちたいとき、発明のきっかけが生まれます」と子どもたちに話しかけました。
レクチャーに続き、頭の体操として、子どもたちに対し朝起きてから子どものいえに来るまでに見た「人がつくったもの」を各班ごとに挙げてもらいました。テレビ、ゲーム、オモチャ、皿などが出され、その中から「テレビ」を選び、それが何の役に立っているかを各班で発表してもらいました。最後の頭の体操は、子どもたちみんなが好きな「スイーツ」がテーマ。美味しそうなケーキの映像を見て、どんな役に立つかをみんなで考え、やがて会場の緊張もやわらいでいきました。
ウォーミングアップが済み、小高から「世の中にあるものは、必ずだれかの役に立つように作られています」という説明とともに、発明アイディアを考える際のポイントについて話がありました。一つ目は、誰かが困っていることに気づくとき、発明のきっかけが生まれること。二つ目は、一番最初につくることが「発明」で、誰かのマネをしてつくっても発明にはならないこと。三つ目は、だれかが困っている事に気づき、それを解決しようとした時、その解決方法はひとつではないこと。いろんな方法を考えてみることが大切であること、といったヒントも与えられ、いよいよ「誰かの役に立つ時計を考える」ワークショップの始まりです。
思い思いにアイディアを練り、画用紙いっぱいに発明品である時計を描いていく子どもたち。各テーブルに配されたスタッフと掛け合いながら、自分の思いをカタチにしていく姿には、当日取材に訪れた地元メディアの方々からも「子どもたちの発想の豊かさに驚かされた」とのコメントが寄せられました。ワークショップ中には子どもたち一人ひとりの創意や工夫に、「なるほどね」「面白いね」という感想を小高から受け取った子どもたちでしたが、結果はオリジナリティ豊かな力作が出揃いました。最後にこの特別授業に参加された22名全員に「発明家のタマゴ認定証」が手渡され、「発明アイディアワークショップ」は終了しました。 -