結 果 発 表
発明による社会貢献の喜びを次世代に伝える“子どもたち みんなが発明家”
樫尾俊雄 発明アイディアコンテストは、発明で社会に貢献する喜びを子どもたちに知ってもらうことを目的に、全国の小学生を対象としたコンテスト。3回目の開催となった今回は、7月10日~9月30日まで「人の役に立つもの」「日常生活に便利なもの」「未来の世界であったらいいなと思うもの」という3つのテーマで発明アイディアを募集し、全国の小学生から233作品の応募がありました。
昨年までは、決勝大会を東京電機大学カシオホールで開催し作品発表や表彰を行いましたが、今回のコンテストは、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、応募作品のみで審査を実施することとなりました。全応募233作品の中から第1次・第2次審査で選出された優秀者20名の中から、それぞれのアイディアについて審査が行われました。今回は20の都道府県から応募があり、世界中を襲った新型コロナウイルス感染症と向き合い、ウイルスの撃退法や感染症から身を守る術、ニュースで社会をにぎわせた環境問題など、時代を反映した数多くの素晴らしい作品が集まりました。
審査員は、株式会社音力発電 代表取締役 速水 浩平氏、特定非営利活動法人 ガリレオ工房 理事長 滝川 洋二氏、サイエンスパフォーマー すずき まどか氏、樫尾俊雄記念財団 樫尾 隆司の4名が務めました。
総 評

このコンテストは毎年、全国の小学生から数多くの応募があります。今年もコロナ禍にも拘わらず、多くの作品の応募を頂きました。いつも皆さんの豊かな発想に驚かされます。今年は残念ながら表彰式が中止となり、皆さんの発表を伺うことができませんでしたが、これからも、すてきな夢をもって発明を続けていただきたいと思います。
発明アイディア コンテスト 審査員長 樫尾 隆司

第3回発明アイディアコンテストに、全国から届いた「世の中の人に役立つもの」のアイディアの数々に驚かされました。上位で入賞した3人は、夢に向かった新しい技術を期待し、かなり具体的にその方向性を示しているものでした。集まったアイディアには、なかなか思いつかない、でも本当に実現するといいと思うものがたくさんあり、審査に困りました。単なる夢ではなく、現在の科学と技術ですでにある程度進んでいるものもあるのですが、最優秀賞の内容は研究者が思いつかないようなアイディアで、このアイディア コンテストの役割が見えるような内容でした。
発明アイディア コンテスト 審査員 滝川 洋二
20都道府県、全233の応募作品から受賞者が決定!
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◆長崎県長崎大学教育学部附属小学校4年
小林 拓眞(こばやし たくま)さん◆応募カテゴリー:
未来の世界であったらいいなと思うもの
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作品名:「オンラインゲームで集めろ! 世界の海中プラゴミ!!」
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●作品名:「オンラインゲームで集めろ! 世界の海中プラゴミ!!」
●アイデアポイント:楽しく遊べてプラスチックも集める事ができて一石二鳥。世界中のみんなの力でプラゴミ0(ゼロ)の海へ。
●受賞コメント:海に遊びに行ったときに、たくさんのプラスチックゴミが落ちていて、拾おうとしたけど、深いところまで行けなかったので、どうしたらそのゴミを拾えるかを考えてできた作品です。ゲーム型にすると楽しみながらできるし、オンラインで世界中の人に参加してもらい、ゴミを拾えたらいいなと思いました。この作品ができたらきれいな海が広がる世界になると思います。
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◆愛知県刈谷市立日高小学校4年
河村 実歩(かわむら みほ)さん◆応募カテゴリー:
未来の世界であったらいいなと思うもの
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作品名:「タニシ型ロボット「タニロボくん」」
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●作品名:「タニシ型ロボット「タニロボくん」」
●アイデアポイント:水道管の中を自動で動きまわり、ひびを見つけると、補修材を出し自動で修理するロボットです。
●受賞コメント:学校の授業で水道管が古くなっているということを習い、家で家族に話したら、日本中の水道管はとても古く直すのにもお金が沢山かかることを聞き、もっとカンタンにできないかと、このタニロボくんのアイディアを思いつきました。家族みんなで考えて作ったりしたのがとても楽しかったです。
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◆愛知県刈谷市立双葉小学校2年
川口 慶士(かわぐち けいし)さん◆応募カテゴリー:
未来の世界であったらいいなと思うもの
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作品名:「心の声バッチ」
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●作品名:「心の声バッチ」
●アイデアポイント:声が出せない人、話ができない人のかわりに話してくれるバッジ
●受賞コメント:今回の作品アイディアコンテストに応募した作品のアイディアも、わりと直ぐに思い浮かべることができて、楽しく作品を描くことができました。将来はいといろ困っている人を助けることができる発明家になりたいと思います。
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審査員特別賞
◆愛知県刈谷市立住吉小学校6年
杉江 芽依(すぎえ めい)さん◆応募カテゴリー:
未来の世界であったらいいなと思うもの
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作品名:「感しょくもにおいもわかるテレビ電話」
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審査員特別賞
●作品名:「感しょくもにおいもわかるテレビ電話」
●アイデアポイント:はなれたところに住む祖父母と感しょくやにおい、健康がわかるテレビ電話でつながることで安心できる。
★審査員の先生からひとこと:(滝川)
触った感触などは、現在の技術でも近づいているのですが、その匂いが、どんな「匂いのもと」で作られているかを即座に分析し、データ化し、遠く離れた場所のにおいをリアルタイムで表現するというのは、まだまだ難しい技術です。人間は五感( 視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を駆使して判断しているので、杉江芽依さんの作品が実現すると、遠隔での食品の購入、料理、医療などにも役立つと期待できます。
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審査員特別賞
◆北海道下川町立下川小学校3年
三浦かりん(みうら かりん)さん◆応募カテゴリー:
人の役にたつもの
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作品名:「あなたといつもいっしょ“守ラント”」
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審査員特別賞
●作品名:「あなたといつもいっしょ“守ラント”」
●アイデアのポイント:みんながもっているランドセルで助ける。きゅううめいどういをいつももつことができる。リュックにもつけられる。
★審査員の先生からひとこと:(速水)
身近なものから発想しているため、より現実味のある、直ぐに役立ちそうな内容でした。また、これからの社会に益々必要になるであろう、「心の優しさ」の伝わる内容でした。
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審査員特別賞
◆兵庫県神戸市立小部小学校2年
伊勢 藍璃(いせ あいり)さん◆応募カテゴリー:
人の役に立つもの
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作品名:体が不自由な人のための服がすぐにできるマシーン」
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審査員特別賞
●作品名:体が不自由な人のための服がすぐにできるマシーン」
●アイデアポイント:びょうきやけがをした人、その人に合わせて服を作ることができる。
★審査員の先生からひとこと:(すずき)
私の息子の体の左側には、産まれつき麻痺があります。そのせいで、左手足をうまく動かすことができず、毎日の着替えがとっても大変。ピッタリの服を探すのも一苦労で、着るのがラクでも、ステキじゃなかったりと悩んでしまうこともよくあります。もしも、こんなアイディアが実現したら「着やすく」「自分の好み」にあった服を簡単に作ることが出来ます!これは、大人になってからケガや病気になって服に困る人たちにとっても、とても助かるものでしょう!気に入った服を着たら、もっとお出かけが楽しくなりますね。
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刈谷少年少女発明クラブ概要

今回の第3回樫尾俊雄 発明アイディア コンテストに、刈谷少年少女発明クラブから多数の応募があり、発明記念館賞(優秀賞)の河村 実歩さん、発明アイディア奨励賞の川口 慶士さん、特別審査員賞の杉江 芽依さん達3名が上位入賞を果たしました。
少年少女発明クラブは全国で214あり、私たちの刈谷少年少女発明クラブは1974年に日本で初めて設立された発明クラブです。小学1年生から中学3年生まで1,005名のクラブ員が日々活動を行っています。
刈谷市では小中学生を対象とした「生活創意工夫展」と呼ばれる作品展が毎年行われており、それにはほとんどのクラブ員が応募しています。
そこで選ばれた作品が「あいち少年少女創意くふう展」に送られ、そこから選抜された作品が「全日本学生児童発明くふう展」に応募されます。過去には、内閣総理大臣賞や文部科学大臣賞を受賞しました。その他にもクラブの最頂点の活動として毎年中学生7名をアメリカのオデッセイ オブ ザ マインド世界大会に派遣しています。2014年にエントリーした部門で1位の金メダルを受賞し、近年でも3位の銅メダルや上位入賞を連続して果たしています。
私たちは、子ども自身のアイディアを引き出すこと、またそのアイディアが形になって世の中に役立つような発明品になることを心がけて日々活動をしています。