那覇市立若狭小学校(沖縄県)
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沖縄県初の「発明アイディア ワークショップ」を那覇市立若狭小学校で開催。4年1組の26名、2組の26名、計52名を「発明家のタマゴ」として認定。
発明の楽しさや社会貢献に通じる喜びを子どもたちに体験してもらう「発明アイディア ワークショップ」が那覇市立若狭小学校で行われ、4年生の2クラスが参加しました。
この特別授業に先立っての冒頭では、講師を務める相原から、全世界で1億個以上も売れているカシオG-SHOCKを発明した伊部菊雄が「落としても壊れない丈夫な時計」を発明しようと思ったきっかけ、開発中の苦労など発明にいたるまでの秘話、完成した商品がヒットするまでのいきさつをムービーを交えながら紹介しました。また、相原自身がカシオ計算機の時計開発部門に所属し、サーファーの役に立つ、潮の満ち引きから波の発生がわかる時計を開発したことを話すと、教室内からおぉという驚きの声があがりました。
その後、頭の体操として子どもたちはグループに分かれ、子どもたちに対し朝起きて教室に来るまでに見た「人がつくったもの」をグループごとに挙げました。次のステップとして、その中で「ソファー」(1組)、「信号」(2組)をそれぞれ選び、それが何の役に立っているかをグループで発表してもらいました。グループそれぞれ、考え方、目のつけどころが違う面白さもあり、発表に対しては相原から子どもたちの想像力をくすぐるようなコメントが添えられました。「世の中にあるものは、必ず誰かの役に立つように作られています」そして「誰かの役に立つものを最初に考えることを発明するといいます」と相原が語りかけると、いつも当たり前のように周りにあるものが、すべて誰かの役に立っていることを改めて認識し、そうだよね、なるほどね、というように大きく頷く姿が見られ、子どもたちが集中していく様子がはっきりと見て取れました。
時計を発明するアイディアを出すまえにさらに、視点を変えて頭の体操をもうひとつ。「おばあさんが横断歩道を渡ろうとしています。みなさんなら、どうしてあげたい?」と相原が語りかけると「手を貸す」「誘導してあげる」「支えてあげる」と、子どもたちのやさしい言葉が続きます。それに対し相原からは「たとえば、ボタンを押すと時計から杖がピーと出てきたらどうでしょう。支えになるので、これなら倒れないように歩けますね。ドラえもんみたいな発想ですけど、これもおばあちゃんに役立つ、発明アイディアです」と話すと子どもたちの表情もさらに生き生きとしたものに。それでは今度はみんなに「誰かの役に立つ時計」を考えてもらいます、というやいなや、このときを待ちきれなかったように、画用紙に向かって一気にクーピーペンシルを走らせる子、一生懸命に考え出す子など、それぞれが「誰かの役に立つこと」を考え、発明に向き合う子どもたちの姿が印象的でした。
構想を練り、書いては消しを繰り返し、作品を完成させる子どもたちでしたが、発明アイディア出しでは力作が揃いました。おじいちゃんやおばあちゃん、子どもたち自分自身のためのものだったり、災害の時に便利だったり、町の人たちに役立ちそうな時計もたくさんあり、みんなのやさしい思いが伝わってきました。例えば「赤ちゃんとお母さんの役に立つ時計」。お母さんが家事をしているとき、赤ちゃんが眠くなってぐずりだすと、オルゴールが鳴ってあやしてくれる時計。また「海に潜っているときに役立つ時計」というアイディアも。海に潜って魚を見たいときに、どんな魚がどんな場所にいるか、情報を教えてくれるもので、沖縄ならではのユニークな発想です。その他、「先生に役に立つ、答え合わせの時計」や「目が見えない人に役に立つ、安全に過ごせる時計」、「お母さんに役に立つ、料理のレシピが見える時計」なども生まれ、充実したワークショップとなりました。
相原からの総評では、すべての作品が面白い発明であり、子どもたち一人ひとりの発想の豊かさに対し、素直に驚かされたことが発表されました。また特別授業を受けた子どもたちの代表からは、自分が出した「お年寄りに役立つ時計のアイディアが、実際に役立つものとして実現できたらうれしい」と感想をいただきました。最後に授業に参加された52名全員に「発明家のタマゴ認定証」が手渡され、4回目の「発明アイディア ワークショップ」は好評のうちに終了しました。 -
4年1組4年2組